貸倉庫東京R 岡本です。
倉庫や工場を借りる上で様々な費用が発生いたします。
今回はその中の『敷金』『保証金』についてまとめてみました。
『敷金』『保証金』は何のためのお金なのか?
貸し倉庫や貸工場の契約期間中に賃料が払えなくなる場合の備え。預かり金です。
オーナーさんのリスク回避です。
『敷金』『保証金』に違いはあるのか?
確かに細かい違いがあります。がそこは弁護士先生にお聞きするとして、
『敷金』は個人向けに使われ、
『保証金』は事業用物件で使われることが多いようです。
また、地域によっても違いがあるようで
関東では『敷金』と関西では『保証金』と表記するパターンもあります。
『敷金』『保証金』の平均金額
賃貸倉庫や賃貸工場の敷金や保証金は3ヶ月から6ヶ月が平均です。
業種などによって違いもあります。
工場なんかは造作を加えて設備などが設置されるので
『敷金』『保証金』を増額されることがあります。借主が倒産したら機械設備の撤去費用の補填として増額をもとめるのでしょう。
『敷金』『保証金』に消費税はかかるのか?
『敷金』『保証金』には消費税はかかりません。
オーナーさんや管理会社によっては、
税込で認識している場合もありますので、事前に確認しましょうね。
※居住用不動産は賃料に税金がかかりません。逆に事業用不動産は賃料に税金がかかる違いがあるから不動産屋によって違いがでるのでしょうね。
注意するポイント『敷引き』『償却』
退去時に『敷金』『保証金』はもどってくるお金です。
が
賃貸条件や契約書に『敷引き』『償却』と記載があれば注意です。
契約時に敷金や保証金で1ヶ月償却とか記入があれば、
4ヶ月預けたうち1ヶ月は戻ってきません。
相場としては、賃料の1~2ヶ月分 または保証金の10~20%
礼金がない物件なんかは、『敷引き』『償却』と記載されていることがありますね。
もともと『敷金』『保証金』の中に礼金を含ませる関西地方の文化だったみたいですが
『敷金』『保証金』と礼金を分類する関東地方でも償却の項目がある物件もあります。
事業用物件は『礼金1ヶ月』『償却1ヶ月』という物件がありますが、
この場合は2カ月は戻ってこない金額になりますね。
『敷金』『保証金』で確認することとは?
実は『敷金』『保証金』は法律的には何も規定されていないんです。
民法の中では「敷金の意味合い」について触れられていますが、
その金額割合などについて提示されていません。
「敷金を預けなければならない」決まりはなく『敷金』『保証金』は慣習なんです。
ということは退去時における『敷金』『保証金』の返還についても法律の定めがありません。
だから『敷金』『保証金』のことは契約時に確認しておくことが大事です。
じゃあいったい何を確認するのか?
敷金の返還について争われた裁判のほとんどは……
「原状回復義務がどこまで及ぶのか」ということ。
原状回復費用に充てるためという理由で、『敷金』『保証金』がまったく返還されないばかりか、不足費用を請求されるケースです。
つまり
『敷金』『保証金』の確認=原状回復についての確認です。
倉庫や工場の場合は、
入居時に現場の写真をとっておくことで現状を確認することが多くなってきました。
借りる側からすると、少しでも金銭的負担を減らしたいだけに、『敷金』『保証金』が何ヶ月なのかは気になるところ。
貸す側からすると、安心材料としての『敷金』『保証金』は大切な部分です。
ガイドラインを国土交通省が定め、それにそった契約書で原状回復の項目が記載されるようになってきましたが
昔の契約書のままの不動産会社もありますので、いずれにせよ、契約書の確認は非常に大事です。