先日、こんな相談がありました。「うちの隣の土地を貸したいんだけど」。。
所有者が隣地を購入するケースは意外と多いのかと思います。購入するのにはそれぞれ理由があります。
隣地を購入する3つ理由
1.自分で使いたいから
隣地を購入すれば自由に使える土地が広くなります。駐車場や庭として使用したり、新たに建てたりも可能です。「今の土地では車が入らない」「日当たりが悪い」「再建築が出来ない」のような場合は購入して問題を解消できます。
2.相続税対策
預金で相続する場合はそのままの金額が課税される対象額となりますが、土地や建物は本来の時価(売却価格)よりも相続税評価額が低くなる評価方法となっています。時価と相続税評価額に差が生じることになるのです。現金より建物のほうが相続税が安くなります。
3.投資として考える
土地が広くなり、売却したときに利益がでる可能性があるケースがあります。また隣地を賃貸で駐車場やアパートで貸した場合、管理がしやすいという理由もあります。
完結にいうと「自分で使う」「売る」「貸す」の3パターンになります。
貸地に適した物件 3つのポイント
僕たちは主に貸すときの相談が多いので、貸すということに焦点をあててお話したいと思います。特徴は以下のようになります。3つとも当てはまれば文句はありませんが、下記の1つでも当てはまれば貸せる可能性がでてきます。
大型の車両での搬入出が基本になります。前面道路の幅員が6m以上あり大型トラック、トレーラーが進入できるものがニーズが高い貸地と言えます。また幹線道路までの経路が短く、高速道路のインターチェンジまでの距離が近いと更に価値が高くなります。
2.すぐ使えること(砂利引き、舗装されている)
基本的にはすぐ使いたいという方が多いので、最低限、砂利引きされており、平坦であることが理想です。現況が畑や田んぼで農転申請前の物件でも募集することは可能ですが、借りたい方は少なくなってしまいます。
3.周辺に住宅が少ないこと
5年前は周辺に何もなかったのですが、今では戸建てが立ち並んでいるというケースがあります。早朝や深夜に出し入れを行って、近隣の住民からクレームがはいった場合、その場所に居づらいですよね。
土地を貸すことのメリット
土地活用の部類の中では1番簡単にできることがのメリット。項目ごとにまとめてみました。
建物と比べて初期投資額が少なくて済む
アパートや倉庫などを建てない場合には、ほとんど何の準備もする必要もありません。草刈りと砂利引き程度ぐらい。投資額の回収も数年。1年程度で済むケースもあります。
原状回復なし・もしくは少なくて済む
土地をそのまま貸し出すということは、そのままの形で土地が返ってくるので、原状回復なども不要です。トラックの出入りが多い部分が削れるので、盛土が必要なケースもありますが、更地に戻すのが非常に簡単なところも大きなメリットになります。
将来的にも対応しやすい(売却する場合も柔軟に対応できる)
土地活用の基本は建てて貸す。もしくは売却です。いくつかの方法がありますが、選択すると後に簡単に変更できなくなります。売りたいと考えた際、建物を建てて貸したら賃借人は借地借家法で保護されなかなか出ていってもらうことができません。しかしオーナー側からも比較的簡単に解約できるというメリットがあります。相続発生の段階で売却したい。 土地の価格が値上がりしたタイミングで売りたいなど柔軟に対応が可能です。
管理の必要性が低い
貸している間は借り主が基本的には管理をしてくれる状態になります。土地に共有分や水道・電気などをオーナー側から請求しないので管理する必要性がありません。建物と違い水がでないとか電気がつかないとかなどの物件自体の修繕が必要ありません。定期的に様子を見に行って、ごみなどの違法投棄が行われていないか草木が茂りすぎていないかなどをチェックは必要ですが、基本的には貸している間は家賃の入金確認ぐらい。ほとんど何もしなくても賃料を得ることができると言っていいかもしれません。
土地を貸すことのデメリット
収益の部分での恩恵が低いのがデメリットと言えます。
収益性が低い(賃料が低い)
建物と比べるとどうしても賃料帯は低くなってしまいます。そのまま土地を貸すだけで簡単なのですが、メリットと収益性の低いデメリットを比較することになります。
税金の軽減を受けることができない
土地を所有していると、固定資産税や都市計画税がかかりますが、住居用の建物が建っていたら、これらの税金が軽減されるケースがあります。一方で資材置場の場合には税金の軽減措置は受けられません。同様に相続税の軽減を受けられません。資材置き場や駐車場として活用する場合、相続税の軽減も受けられません。駐車場や資材置場として募集されている土地の多くは、評価が高くなさそうな郊外に多いのはこうした理由からになります。
需要に変動がある
法人を相手にするので景気に左右されるとも言えます。近くで工事をしていたら一時的に貸すことができますが、その工事が終わったら次にまた同じような工事があるとは限らないので、継続して貸すということが難しいケースもあります。
メッリトはなんと言っても簡単にできることです。一方で収益性が低く、税金面でのメリットがないということが言えます。一方で都内などの公共工事が多い場所や資材置場の供給量が少ないエリアでは高い賃料で貸せる可能性があるケースもあります。もてあましている土地があるなら、まずは一度、資材置き場としての活用方法を検討してみるのもありかもしれません。
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