不動産は住居だけではありません。マンションやアパートの投資の話はよくありますが、例えばオフィスなども不動産です。店舗や倉庫も不動産です。
このような物件を「事業用不動産」といいます。
事業用不動産とはどういったものなのかと、事業用不動産へ投資について、特徴を書いていこうかと思います。(少し倉庫や工場よりで)
事業用不動産のメリット
単価が高く、高利回りを期待できる。
事業用不動産に興味を持つ理由、なんと言っても「儲かるから」
生命保険のかわりになる、私的年金の確保などお金を残したいと思っているなら、居住系より事業用のほうがいいですね。
目安ですが利回りで言うとこんな具合でしょうか
住居:5〜6%
事務所:6〜7%
店舗:7〜8%
倉庫:8~10%
修繕や原状回復が居住系より楽です
住居系は一部屋の解約があると、
入居者によっても違いはありますが、壁紙の交換やその他もろもろと費用が発生しますよね。
事業用不動産では引き渡しは基本的に「スケルトン」
(スケルトンの特徴は過去の記事から‥‥スケルトンで工場を自由に造作)
内装は入居するテナントが行うことがほとんど。オーナー側で手間と時間をかける必要がない点もメリットです。
居住系と比べてクレームが少ない。
倉庫や工場でもクレームはありますが、住居系よりはクレームの数は絶対的に少ないと思います。
例えば「エアコンが壊れた」みたいなクレームは、事業用不動産にはありません。
倉庫の場合に特に多いのですが、エアコンは「残置物」扱い(前のテナントが置いっていったもの)です。オーナーさんが直す必要はありません。
(設備と残置の記事はこちらから‥
倉庫を借りる前に理解しよう。「設備」と「残置」の違い)
部屋の場合、お隣さん問題がでてきます。倉庫や工場、店舗など建物一棟を貸すことになるので、「お隣の部屋の人が」みたいな問題は起こりようがありません。(隣接した民家からは騒音のクレームはありますが)
事業用不動産のデメリット
空室のリスク
居住用の物件に比べ、空室リスクが高いのが最大のデメリットです。「住まい」は、景気が悪くなったからといってすぐに引っ越したりはしません。しかし、倉庫の場合は特に「撤退」と「移転」は柔軟に行われます。住宅に比べて景気動向などに左右されやすいのです。都心部だからこそ賃料が高いので、郊外に移転なんて話はリーマンショックの時にはよくありました。
賃料の変動率が大きい
賃料水準も景気動向に大きく左右されます。住宅でも家賃の上下はありますが、通常は物価上昇率に近い範囲、2年で5%~10%程度と言われます。しかし倉庫・工場の場合は、需給バランスによって大きく変わり、現在の賃料の半値という事例もあります。なお、大きく下がるおそれがある一方で、大幅に値上げできる可能性もあります。今現在の例で言うと、オリンピック特区なんかは当てはまります。賃貸でも入札みたいなことが行われることがあります。
テナント募集にノウハウがいる
住宅系よりも、入居者募集のノウハウ、テクニックが必要と言われてます。さまざまな業種・業態があり、それぞれのテナントごとに、求められる立地や建物の構造・設備が異なります。特定の業種・業態に合わせた作りになっている物件が一度空いてしまうと、他の業種・業態への転換が難しく、新たなテナントが入るまでに時間がかかる場合があります。
融資条件が厳しい
金融機関の審査は住宅系よりも厳しく、担保掛け目も低めに設定される傾向があるようです。また審査にも時間がかかります。その理由は、建貸しの場合なんかは、物件の担保力やオーナーの資金力・テナントの属性まで詳しく調べます。(反社会的勢力ではないか、テナントとなる企業の経営状態はどうか)逆に金融機関の厳しい審査が通るということは、ある程度は信用できるテナントだともといえます。
まとめ
事業用不動産の投資はハイリスク・ハイリターンと言われます。オーナーさんにはリスクの部分も理解しておきたいという意見を多く頂きます。当たり前ですよね。居住用と違う部分はありますが、事業用不動産しか投資しないオーナーも現実にいらっしゃいます。リスクを理解して、その対策をしていけば、事業用不動産しかやらないというかもしれません。