こんばんわ。 池田です。
先日、江東区で契約した物件も「定期借家契約」の倉庫・事務所物件でした。
そこで今回のテーマ「定期借家契約」について
ちょっとわからない方に難しい話になるかもしれませんが
定期借家契約と普通借家契約の比較
定期借家契約 | 普通借家契約 | ||
1 | 契約方法 | (1)公正証書等の書面による契約に限る (2)さらに、「更新がなく、期間の満了により終了する」ことを契約書とは別に、あらかじめ書面を交付して説明しなければならない |
書面でも口頭でもよい |
2 | 更新の有無 | 期間満了により終了し、更新 されない | 正当事由がない限り更新される |
3 | 建物の賃貸借期間の上限 | 制限はない | 2000年3月1日より前の契約 20年まで 2000年3月1日以降の契約 制限はない |
4 | 期間を1年未満とする建物賃貸借契約の効力 | 1年未満の契約も可能 | 期間の定めのない賃貸借契約とみなされる |
5 | 建物賃借料の増減に関する特約の効力 | 賃借料の増減は特約の定めに従う | 特約にかかわらず、当事者は、賃借料の増減を請求できる |
6 | 借り主からの中途解約の可否 | (1)床面積が200㎡未満の居住用建物で、やむを得ない事情により、生活の本拠として使用することが困難となった 借り主からは、特約がなくても法律により、中途解約ができる (2)上記(1)以外の場合は中途解約に関する特約があればその定めに従う |
中途解約に関する特約があれば、その定めに従う |
上の表を見ても、初めて見る方はポイントがよくわかりません。僕もそうでした。
「定期借家契約」とは更新のない契約という原則を理解すれば、話の内容が理解できると思います。
今回のテーマのポイント
なぜオーナーさんが「普通借家契約」ではなく、「定期借家契約」を希望しているか?
それは、オーナーさんは解約する時のこと考えているからです。
「普通借家契約」でオーナーからの解約をしたい場合
借り主が引き続き住むことを希望している場合には、貸主からの解約や、契約期間終了時の更新の拒絶は、
オーナーさんに正当な事由(どうしてもそこに住まなければならないなど)がない限りできません。
したがって、
「普通借家契約」の契約期間は貸主の事情と借り主の意向に左右されることになります。
一方、「定期借家契約」の場合
契約の更新がない契約形態ですので、契約期間が終了した時点で確定的に契約が終了し、確実に明け渡しを受けることができます。
東京23区の場合、倉庫や工場は古い建物が多く、建て替えを予定している場合があります。
「定期借家契約」にしておけばオーナーから立ち退き交渉をする必要がありません。
もしくは、オーナーが高齢で相続が発生した時を考えると「定期借家契約」にしておけば、物件を売りたい時に返してもらるので安心という考えもあります。
借主にとったら一体メリットはあるのか?という疑問がでてきます。
正直、「定期借家契約」から「普通借家契約」に変更してください。とい交渉事が多いです。
借りる側からすると、賃貸期間を延長できないという「定期借家契約」はメリットは感じません。
再契約を前提とした定期借家契約の提案をしますが、理解してくれる借主は少ないですね。
再契約を前提とした定期借家契約って何?と思うかもしれませんが
簡単に言うと「オーナーは再契約するつもりはあるよ。今の段階は」ということ。あくまで契約は一回終了して、また「定期借家契約」を結ぶということ。
「定期借家契約」の原則は、更新のない契約だと理解してください。
ただ東京23区の倉庫や工場を仲介する場合、「定期借家契約」に慣れている借主(テナント)もいるなと感じてます。
「定期借家契約を理解している」というよりかは
「儲かっている会社」で解約になった場合は、自分で物件を買っちゃえばいいと思っている。
もしくは
「ここの物件を借りないと商売のチャンスを逃す」と思っているか。
「定期借家契約」で倉庫や工場を借りるテナントは、余裕がある会社だと言えます。
ただ、そんな会社は正直少ない。本当に「定期借家契約」のことを分かって物件を借りているのか?と疑問を持つこともあります。
不安な場合は、物件を借りる前にしっかり不動産屋さんに聞いてみてください。