家賃保証会社が普及したことで、部屋だけでなく倉庫や工場の賃貸物件も保証会社利用が必須になっていると言えます。家賃滞納のトラブルの防止、原状回復などの良いことがある反面、デメリットもあります。安易に保証会社を勧める会社が多数ありますが、彼らはそのデメリットに気づいていないことも。。。
デメリット①.入居者の負担増
デメリット②.入居者を見る目が育たない
デメリット③.管理会社としての質が落ちる
デメリット④.ノータッチの部分もある
保証会社が万能ではないこと
1.入居者の負担増
保証会社を利用すると、入居者は家賃の50~150%を保証料として負担することになります。保証料があることで初期費用が増えるということで敬遠する入居者もいます。
最近の事例でも以下のようなことがありました。
100万円以上の高額物件でも保証会社の加入を義務付けている物件がありました。申し込みの交渉材料は『保証会社を利用しない』で物件を借りれないか?ということでした。結果はオーナーさんが保証料を負担することで契約になりました。保証料とあるので「保証金」と勘違いする方がいますが、保証金や敷金と違ってもどってこない金額です。火災保険や生命保険に入る理由は自分自身を守るために加入します。その理屈で考えると借主にとったら、保証会社は貸主自身で加入するんじゃないの?というふうに考えます。
2.入居者を見る目が育たない
家賃保証会社を利用するということは、入居審査を保証会社の審査に委ねることになります。保証会社の審査は決算書などで数字を確認するだけ。人を見ることをしません。保証会社を利用することは直接入居審査をする必要性がないということ。
弊社に問い合わせを頂いたオーナーさんから過去に下記のような相談がありました。
ある管理会社に工場物件の管理を任せていました。新たに入居を募集することになり、保証会社を通ったから審査通過ということで機械的に入居審査を行っていたようです。そのテナントが数カ月後に滞納を起こしました。管理会社は保証会社任せ。法人の場合保証期間も短いので、家賃の保証期間もすぐ終わり、原状回復もせずテナントが退去したという経緯で弊社に連絡してきました。
3.管理会社としての質が落ちる
安易に保証会社を利用する不動産会社が増えたことで、管理会社の仕事も変化していきました。管理する物件数が増えると入居審査や、滞納時の家賃回収などの業務を保証会社に任せる傾向になっていきました。保証会社が通りましたの一言で終わらせてしまう管理会社が増えていき、入居審査に関して判断基準を持っている会社が少なくなっている傾向になっているのだと思います。
4.ノータッチの部分もある
保証会社を利用している入居者が、騒音問題や臭い問題で近隣から苦情が出たら、保証会社は完全にノータッチ。オーナーさんは入居者と直接注意をし、それでも直らなければそ法的手段以外にありません。保証会社の保証内容はそれぞれの保証会社で違いはありますが、滞納賃料・訴訟費用・残置物処理費用などお金の部分がメイン。お金以外のトラブルが起こった場合どうするかは、管理会社でも対応が変わってきます。管理会社に管理を任せるのか、連帯保証人を付けて対応するのかなど対応のやり方はありますが、管理会社が使い物にならないケースが増えているから弊社などに相談の連絡があるのかと感じてます。
保証会社が万能ではないこと
同業者と話をしていると保証会社が万能ではないことは不動産会社自身も気づいているようです。『審査が通りにくくなったから』A社からB社に変えた。『保証内容がいいから』C社からD社に変更したなど、多くは『保証会社を乗り換えた話』が話題になります。家賃滞納の回収業務は保証会社任せになっているので、管理会社としての質の部分は正直どこも同じような気がします。
倉庫や工場などの賃貸物件は家賃保証会社と連帯保証人を両方つけるのがスタンダードになっていますが、入居者によって使い分けることが大事だと考えます。上場企業の場合は、保証会社・連帯保証人を利用しないケースだってありますし、起業し始めたばかりの方には連帯保証人だけで対応する場合もあります。倉庫や工場などの法人を相手にする場合、様々な規模の会社を相手にすることになります。安易に保証会社を使う不動産会社では判断基準が少ないので、入居の機会(チャンス)を失うことにもなります。管理会社を選択する時は『家賃滞納』のやり方を聞いてみるといいかもしれません。不動産会社の特徴を見つけることができるかもしれません。
株式会社さかす不動産
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