貸地の問い合わせを多数いただくので、今日は資材置場について書こうと思います。借りたいというテナントは多数いるのですが、オーナーサイドは『市街化調整区域でどのように活用したらいいか悩んでいる』『どのように貸せばいいか分からない』と悩んでいる方も結構いらっしゃいます。土地活用の方法の1つとして「資材置場」にする方法をまとめてみたいと思います。
どんな業種、会社がいるのか
資材置場に適した物件 3つのポイント
資材置場にするメリット
資材置場にするデメリット
知っておくべきポイント 市街化調整区域
どんなオーナーが資材置場にむいているのか
どんな業種、会社がいるのか
どんな業種・ニーズがあるかと言うと以下のものがメインになります。
建築資材
住宅、事務所などの建物に用いられる木材、鉄鋼材、石材を置く土地を探している方がいます。また電気配線や水道・ガスの配管類、空調ダクトなども含まれるケースもあります。
足場
工事現場などで作業する際に造る仮設の作業床や通路に足場を利用します。工事現場が随時変わるので、土地に足場を置いてある量が変動します。
残土
建築工事及び土木工事などで発生する土のことです。産業廃棄物に該当するものが混入している場合は、それを取り除かなければならないので、残土置き場としての利用方法は残土を保管する、分類するという使用用途に別れます。
産業廃棄物
分類すると細かい分野になるので割愛しますが、貸すことに1番敬遠される業種と言えます。一方で探している方も多い。貸す場合はしっかりと審査を行うが必要があります。
資材置場に適した物件 3つのポイント
資材置場に向いている土地の特徴は以下のようになります。3つとも当てはまれば文句はありませんが、下記の1つでも当てはまれば貸せる可能性がでてきます。
1.大型トラック・トレーラー進入ができること
大型の車両での搬入出が基本になります。前面道路の幅員が6m以上あり大型トラック、トレーラーが進入できるものがニーズが高い貸地と言えます。また幹線道路までの経路が短く、高速道路のインターチェンジまでの距離が近いと更に価値が高くなります。
2.すぐ使えること(砂利引き、舗装されている)
基本的にはすぐ使いたいという方が多いので、最低限、砂利引きされており、平坦であることが理想です。現況が畑や田んぼで農転申請前の物件でも募集することは可能ですが、借りたい方は少なくなってしまいます。
3.周辺に住宅が少ないこと
5年前は周辺に何もなかったのですが、今では戸建てが立ち並んでいるというケースがあります。早朝や深夜に出し入れを行って、近隣の住民からクレームがはいった場合、その場所に居づらいですよね。
資材置場にするメリット
土地活用の部類の中では1番簡単にできることが資材置場のメリット。項目ごとにまとめてみました。
建物と比べて初期投資額が少なくて済む
アパートや倉庫などを建てない場合には、ほとんど何の準備もする必要もありません。草刈りと砂利引き程度ぐらい。投資額の回収も数年。1年程度で済むケースもあります。
原状回復なし・もしくは少なくて済む
土地をそのまま貸し出すということは、そのままの形で土地が返ってくるので、原状回復なども不要です。トラックの出入りが多い部分が削れるので、盛土が必要なケースもありますが、資材置き場として賃貸すると、更地に戻すのが非常に簡単なところも大きなメリットになります。
将来的にも対応しやすい(売却する場合も柔軟に対応できる)
土地活用の基本は建てて貸す。もしくは売却です。いくつかの方法がありますが、選択すると後に簡単に変更できなくなります。売りたいと考えた際、建物を建てて貸したら賃借人は借地借家法で保護されなかなか出ていってもらうことができません。しかし資材置場の場合、オーナー側からも比較的簡単に解約できるというメリットがあります。相続発生の段階で売却したい。 土地の価格が値上がりしたタイミングで売りたいなど柔軟に対応が可能です。
管理の必要性が低い
資材置場として貸している間は借り主が基本的には管理をしてくれる状態になります。土地に共有分や水道・電気などをオーナー側から請求しないので管理する必要性がありません。建物と違い水がでないとか電気がつかないとかなどの物件自体の修繕が必要ありません。定期的に様子を見に行って、ごみなどの違法投棄が行われていないか草木が茂りすぎていないかなどをチェックは必要ですが、基本的には貸している間は家賃の入金確認ぐらい。ほとんど何もしなくても賃料を得ることができると言っていいかもしれません。
資材置場にするデメリット
収益の部分での恩恵が低いのがデメリットと言えます。
収益性が低い(賃料が低い)
建物と比べるとどうしても賃料帯は低くなってしまいます。そのまま土地を貸すだけで簡単なのですが、メリットと収益性の低いデメリットを比較することになります。
税金の軽減を受けることができない
土地を所有していると、固定資産税や都市計画税がかかりますが、住居用の建物が建っていたら、これらの税金が軽減されるケースがあります。一方で資材置場の場合には税金の軽減措置は受けられません。同様に相続税の軽減を受けられません。資材置き場として活用する場合、相続税の軽減も受けられません。資材置場として募集されている土地の多くは、評価が高くなさそうな郊外に多いのはこうした理由からになります。
需要に変動がある
法人を相手にする資材置場 景気に左右されるとも言えます。近くで工事をしていたら一時的に貸すことができますが、その工事が終わったら次にまた同じような工事があるとは限らないので、継続して貸すということが難しいケースもあります。
知っておくべきポイント 市街化調整区域
資材置場は近隣に民家が少ない市街化調整区域で募集されていることが多いです。
近隣に住宅がある市街化区域で資材置場として貸し出した場合、騒音でクレームが来たり、税金の軽減がうけれなかったりとデメリットが多い。よって市街化調整区域での資材置場が目立つのですが、貸し出すにあたり注意点が必要です。
①基本的に建物がたてられません
資材置場として借りたい方というのは土地と一緒に事務所を必要としているケースが多いです。物件内に事務所やプレハブを構えることは原則違反になります。事務所は資材置場の違くで借りていただくことが現実的です。
②電気・水などのインフラ確保ができない。
市街化調整区域の場合、上水道が全面道路に通ってない場合があります。また排水設備が整っていないケースも多いです。簡易トイレで対応したりは可能です
以上のことから基本は物を置く場所で人は在中しないことが前提になります。最低限のことを理解して貸し出す必要があります。
資材置場・土地活用のまとめ
資材置場のメッリトはなんと言っても簡単にできることです。一方で収益性が低く、税金面でのメリットがないということが言えます。
一方で都内などの公共工事が多い場所や資材置場の供給量が少ないエリアでは高い賃料で貸せる可能性があるケースもあります。もてあましている土地があるなら、まずは一度、資材置き場としての活用方法を検討してみるのもありかもしれません。
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