大家さんから相談の連絡をいただくようになってから、年々増えてきている案件
それは『世代交代』
具体的に言えば、両親が事業を辞めて不動産を引き継ぐというケース。
もしくは親が所有していた不動産屋を相続する場合など
両親が高齢、もしくは亡くなってしまった時に
どうすればいいのか分からない状態で不安ですよね。
30代~40代の年齢層がメインの2代目大家さん
今回は不動産を賃貸で募集する場合、
大家さんはどんな選択肢があるのかということを解説していきます。
この記事を読むことで、
不動産オーナーとしての意識の持ち方が変わるかもしれません。
意外と知らない大家業の支出
両親から不動産屋を引き継いだときに
家賃収入がどれぐらいあるのかは両親から聞いていた。
しかし、どれだけ経費がかかっていたのかを知らない方が多い。
入ってきた家賃は全部使えると思っていたら大間違い。
大家業はビジネスです。大家業には支出が必ずあります。
土地や建物の購入に関する不動産取得税、維持管理のための修繕積立金、
また、移動に使う車のガソリン代、
インターネットや携帯の通信費用なども必要な支出です。
項目 | 注意点等 |
---|---|
管理費 | 管理を不動産会社に任せていた場合に支払う金額 |
水道光熱費 | アパート一棟など共用部分がある場合は水道代・電気代。外灯の電気代がかかります。 |
保険料 | 火災保険・地震保険の保険料。 |
修繕費 | 規模によって計上できる場合があります。 ※経費に計上できない場合もあるので注意。建物の取得原価に含め、減価償却を行っていきます。 |
交通費 | 不動産投資に関わる用事ならば経費できます。車両のガソリン代や、駐車場代、高速道路料金など |
通信費 | 管理会社とのやり取りを電話で行う場合一定額を計上できます。 |
交際費 | 喫茶店、レストラン、居酒屋などでの関係者との飲食費など |
借入金の金利 | 金融機関から借り入れをした場合、金利分が経費に計上できます。 |
減価償却費 | 建物付属設備および構築法について、2016年4月以降に取得したものは、償却費の額が毎年均等になる定額法で計算します。それ以前に取得したものは、償却費の額が毎年少しずつ減る定率法か、定額法のどちらかを選択できます。(ただし建物に関しては、1998年4月以降は定額法) |
消耗品費 | 事務処理に必要なプリンタ用紙、インク、文房具などの購入。 |
広告宣伝費 | 管理会社に物件の広告活動を頼んだ場合に払う費用。 |
貸倒引当金 | 取引先が倒産し、売掛金が回収できない場合を見越して計上します。 |
固定資産税 不動産取得税 登録免許税 印紙税 |
投資用の不動産を購入する際に支払う税金等は可。ただし、自宅用の不動産など、あくまで事業主個人のためのものは除きます。 |
司法書士報酬 | 投資用の不動産を購入する際、登記を司法書士に委託した場合に支払う報酬。 |
仲介手数料 | 賃貸の場合、不動産会社に支払った金額を経費として計上できます。ただし、売買の仲介手数料は「固定資産の取得価額」となりますので注意してください。 |
参照:個人事業主の大家さん、節税のカギは経費~チェックしておきたい19の項目~
▶https://chintai.guide/2017/03/kojin-setsuzei/
参照:【疑問】貸倉庫にかかる税金はどのくらい?節税はできる?
▶https://xn--0vqy2r4yevwa.jp/info/14995
たくさん項目がありますが
大家業の支出の代表的なものが修繕積立金と固定資産税
それを
家賃収入の1~2割をそれに当てると言われています
大家業のメリットは、家賃収入が毎月安定して入ってくることですが
これだけの項目の支出があることを知らない方もいます。
もし空室状態が続く物件を相続したら、収入がありません。
おカネを吸い取るばかりの「負動産」「腐動産」ということになってしまいます。
両親とは違う時代背景
様々なオーナーさんとお会いしていますが
「一代で財をなした」両親とその子供を比べると
やはりどんなに歳をとろうと両親はビジネスマン
一方でその子供を比べるとやはり、その感覚は欠けている方が多いのかもしれません。
しかし、時代は変化しているので
親と同じ感覚でいたら、なかなか物件が決まらないってこともあります。
時代は変化しても建物は基本変化しません。
例えば、こんなこと
空室期間が1年以上だった物件です。
両親が依頼していた不動産屋から
弊社に募集を変更してから3ヶ月後に成約になりました。
簡単にまとめると要因は2つ
①適正な家賃設定
多くの不動産屋は相場感だけで賃料設定しています。倉庫の場合、物件自体が希少なので相場感が変化しずらい特性があります。しかし、周辺環境が時代とともに変化します。それにともなって需要と供給のバランスがじわりじわり変化しています。
②造作物の撤去
倉庫の場合、中2階など造作したものを残置で残していることが多く見られます。必要な方がいると思って残していても、多くのテナントを仲介してきて感じることは8割程度は必要ないといわれます。造作物は過去のテナントにとって必要ですが、現在のほとんどのテナントにとっては時代遅れの不必要なものになってしまっています。
ここの物件の場合、写真のように小部屋をたくさん造作していました。
前のテナントに「壊すのはもったい」と言われたようです。
実際は「壊すお金がないから、そのままで退去したい」というのが本音でしょう。
オーナーさんもいい人なので、「そのままでいいよ」と言ってしまったようです。
管理を不動産屋に任せていなかったので、
退去のやり取りが借り主と直接だったことも原因になったのでしょう。
不動産会社のタイプは、大きく分けて2つ
自分の不動産を任せられる不動産会社はどこにいるのでしょうか?
まずはざっくりと不動産会社をタイプ別にわけてみると
メリット
大手の安心感、駅からのアクセスが良い場所に店舗があり訪問しやすい点。
デメリット
営業担当には移動があり、地元の情報にあまり通じていない場合も。
メリット
経験豊富で地元情報に精通した担当者が直接担当してくれることです。
デメリット
地元や自社管理物件しか一生懸命やらない。
簡単に分けると2パターンですが、大事なポイントをあげるとするなら
得意分野が明確になっていること
病院で例えるとわかりやすいかもしれません。
総合病院や大学病院が大手
地域の内科や耳鼻科が地元の不動産屋
看板は「〇〇◯不動産」なので一見すると解りませんが、
賃貸が得意な不動産会社もあれば、売買が得意な不動産会社もあるということです。
多くのオーナーさんは
昔からの付き合いだから 地元だから
という理由で賃貸の募集依頼をしています。
しかし、30代~40代の年齢層がメインの2代目大家さんにとったら
空室期間が長く続くと
親が任せているからという理由だけでは不安になってきますよね。
不安なことは簡単に想像できてしまいます。
本当に適正価格なのか? いつになったらテナントがつくのだろうか?
何かをアドバイスがほしいと思うと
不動産屋に相談する前に、年齢の若い2代目オーナーは
「OK グーグル」と言って検索します。
という感じでこのブログにたどりつく方も意外といらっしゃいます。
話をまとめると
・親から不動産を引き継いだらビジネスオーナーになるということ。
・そして、パートナーとなる不動産会社選びをする必要がある
次回はオーナーにとっての不動産会社の選びを具体的に書いて行こうと思います。
ぜひ参考にしてみてくださいね。
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