
「条件に合う貸倉庫、まだありませんか?」
貸倉庫東京Rを運営していると、こういうお問い合わせをいただくことがあります。
ただ、会社名や業種、使い方などは書かれておらず、物件があるかどうかだけを聞いてくるケースも少なくありません。
おそらく、いろいろなサイトを探したものの、条件に合う物件が見つからない。そこで、まだ公開されていない物件がないか、不動産会社に聞いているのだと思います。
これは、お客様が真剣に探していないという話ではありません。
事業用の倉庫や工場は、そもそも市場に出ている物件の数が少ないのです。
今回は、なぜ問い合わせが多いのに、条件に合う物件を紹介できないことがあるのか。貸倉庫東京Rの現場で感じていることを、少し正直に書いてみます。
🏢 貸倉庫や貸工場は、住宅のように新築されません

住宅や賃貸マンションは、建てて入居者が決まれば、家賃収入を見込めます。
一方で、倉庫や工場は、建てればすぐに借り手が決まるとは限りません。
必要な広さも、会社によって違います。天井高が必要な会社、床の強度を重視する会社、大型トラックが入らなければならない会社。電気容量やクレーン、ヤードが必要な会社もあります。
同じ「工場」でも、必要な建物の仕様がまったく違うわけです。
さらに、工場や倉庫を建てられる土地は、どこにでもあるわけではありません。用途地域、接道、開発許可、周辺の住宅、騒音、車両の出入りなどを考える必要があります。
需要があるからといって、新しい貸倉庫・貸工場がすぐ増えるわけではありません。
✅ 工場の新築がゼロという意味ではありません
ここは、誤解のないようにしておきます。
経済産業省の工場立地動向調査によると、2025年の埼玉県の工場立地件数は47件でした。工場の新しい立地がまったくないわけではありません。
ただ、その工場が一般向けの貸工場になるとは限りません。
特定の会社が自社工場として建てる場合もあります。土地を取得して、その会社専用の建物を建てる場合もあります。
貸倉庫を探している会社が欲しいのは、単なる新築工場ではありません。
東京から近い場所で、すぐ使える。希望の広さがある。トラックが入る。電気容量も足りている。賃料も予算内に収まる。
こうした条件を満たす既存物件を探している会社が多いのです。
🏭 市場に出てくるのは、もともと事業をしていた建物

貸倉庫や貸工場として募集される物件の多くは、もともと誰かが事業をしていた建物です。
製造会社が工場として使っていた建物。運送会社が車庫や倉庫として使っていた建物。卸売会社が商品を保管していた建物。
その会社が移転したり、事業を縮小したり、後継者がいなくなったりして、建物が売却や賃貸に出されます。
つまり、貸倉庫や貸工場は、住宅のように新築によって定期的に増えるというより、誰かが事業をやめたとき、使わなくなったときに市場へ出てくることが多いのです。
ただ、事業をやめた建物が、すぐ貸せる状態になるとは限りません。
建物が古いこともあります。設備が残っていることもあります。修繕に大きなお金がかかることもあります。用途や許可の確認が必要になる場合もあります。
所有者が解体することもあれば、自分で使い続けることもあります。
📉 企業が減っても、条件に合う物件が増えるとは限りません
帝国データバンクによると、2025年に倒産・休廃業・解散によって市場から退出した企業は7.8万件を超えています。また、倒産リスクが高い企業では製造業が3万1,035社で、業種別最多でした。
こうした数字を見ると、「使われなくなった工場がたくさん出てくるのでは」と思うかもしれません。
でも、実際にはそう簡単ではありません。
その建物が売却されるとは限りません。所有者が使い続ける場合もあります。古すぎて解体されることもあります。道路が狭く、トラックが入らないこともあります。
貸せる状態になったとしても、探している会社の条件に合うとは限りません。
ここが、倉庫や工場探しの難しいところです。
📋 需要は多い。でも、条件が重なると物件がなくなる
貸倉庫や貸工場を探している会社は、決して少なくありません。
事業を始める会社、手狭になった会社、拠点を移転する会社、都内から埼玉県へ移転する会社。常に一定の需要があります。
ただ、希望条件が増えるほど、候補物件は急に少なくなります。
・大型トラックが入る
・敷地内に駐車場やヤードがある
・天井高がある
・電気容量が足りている
・工場や作業場として使える
・賃料が予算内に収まる
この条件がすべて重なる物件は、そう多くありません。
だから、お問い合わせをいただいても、その時点で条件に合う物件を紹介できないことがあります。
物件を隠しているわけでも、探していないわけでもありません。
本当に、条件に合う物件が市場に出ていないことがあります。
🔍 問い合わせを一度送って終わりでは、タイミングを逃します
貸倉庫や貸工場は、募集が出るとすぐに話が進むことがあります。
条件のよい物件ほど掲載期間が短くなります。問い合わせをして、社内で検討している間に、別の会社で申込みが入ることもあります。
「今は物件がない」と言われたら、そこで終わりにするしかないのでしょうか。
私は、そうではないと思っています。
会社名、事業内容、希望エリア、必要な面積、賃料、トラックの種類、移転時期などを伝えておけば、次に物件が出たときに話が早くなります。
最初からすべて決まっていなくても構いません。
「何をする会社なのか」「どのくらいの広さが必要なのか」「どこまでならエリアを広げられるのか」が分かれば、物件が出たときに判断しやすくなります。
🔖 貸倉庫東京Rをブックマークしておいてください
貸倉庫や貸工場を今すぐ借りる予定がなくても、半年後、一年後に移転する可能性がある会社は、早めに物件を見ておくことをおすすめします。
どのエリアに物件が出るのか。どの広さなら、どのくらいの賃料なのか。大型車が入る物件はどのくらいあるのか。
先に見ておけば、いざ移転が必要になったときに、条件を決めやすくなります。
貸倉庫東京Rでは、新しく募集が出た貸倉庫・貸工場を随時更新しています。
毎日、条件に合う物件が出てくるわけではありません。
一度問い合わせて終わりではなく、サイトをブックマークして、定期的に新着物件を確認してください。
✅ まとめ:需要はあるのに、供給が簡単には増えない
貸倉庫や貸工場の問い合わせが多いのに、紹介できる物件が少ないのには理由があります。
工場や倉庫は、住宅のように需要を見込んで次々に新築されるものではありません。土地の条件、用途、建築費、周辺環境、設備の問題があり、新しく供給するには時間もお金もかかります。
市場に出てくる物件も、事業縮小、移転、休廃業、売却などによって発生する既存物件が中心です。
一方で、東京に近い埼玉県内で、使いやすい倉庫や工場を探している会社は多い。
需要はあるのに、供給が簡単には増えない。
これが、貸倉庫・貸工場の市場です。
物件をお探しの方は、希望条件を伝えたうえで、貸倉庫東京Rの新着情報を定期的に確認してみてください。
参考:統計・調査資料
・経済産業省:工場立地動向調査
・帝国データバンク:全国企業「倒産リスク」分析調査(2025年)
・帝国データバンク:倒産集計2025年度報























